心不全とは、全身に血液を送り出すいわばポンプの役割を担って休むことなく働く心臓に問題があり息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり寿命をも縮める病気です。心不全になると、心臓から十分な血液を送り出せなくなり、体に必要な酸素や栄養が不足します。
結果、階段や坂道で息切れがしたり、疲れやすくなります。また、腎臓に流れる血液が少なくなって尿の量が減り、水分が体内に貯留し足の甲やすねがむくみます。そして、体重が1週間で2~3キロ増減します。息切れや足のむくみは、心不全の患者さんで頻度の高い初期症状です。さらに、体の中で血液が滞る「うっ血」が進行すると、腹部膨満や呼吸が苦しくて横になって眠れない「起坐呼吸」といったような状態になることもあります。
心不全が起こる原因は、以下が考えられます。
・心臓の筋肉を養っている血管(冠動脈)が詰まってしまう心筋梗塞や狭心症
・動脈硬化や塩分のとり過ぎなどが原因の高血圧
・心臓の部屋を分けている逆流防止弁が障害される弁膜症
・心臓の筋肉に異常が起こる心筋症
・拍動のリズムが異常になる不整脈
・先天的な心臓の病気
心不全は良くなったり悪くなったりを繰り返しながら経過する病気であり、上手に付き合っていく必要があります。
1)内服を必ず継続する
心不全に対しての薬は種類が多いのが特徴です。処方された薬を必ず決められた時間に決められた量を内服してください。飲み忘れにご注意を。
2)食生活に気を付ける
塩分の制限が重要です。塩分をとり過ぎると、体の中の血液量が多くなり、心臓に負担がかかってしまいます。1日あたり6g未満を目標にして塩分をとり過ぎないよう心がけてください。
3)自己管理を行う
日々の状態をご自身で管理していく必要があります。血圧や体重を毎日記録することを推奨します。心不全の症状が出ていないか、定期的にチェックしましょう。異常を感じたら、一刻も早く医師の診察を受けてください。